それでも虹は美しい

「理由を知っていても,その美しさは変わらない」

"stilling still dreaming" THA BLUE HARB

申請の書類を書いてると自分のヘボさにうんざりしてくるし、自分で書いてる研究計画がほんとに上手くいくのか不安にもなる。たぶんこれって音楽で食べようとしてる友達とかも同じだと思う。就職することと比べて安定が保証されてない生活を送っている人は多かれ少なかれ同じような気持ちになったことはあるはず。RHYMESTER宇多丸さんも、深夜に寺の鐘を鳴らしまくったって話をラジオで時々してるし。で、不安をごまかしつつ学振を書いていた時に思い出したのがブルーハーブのリリックです。

金で買えないものならとっくにオレの手の内にあるとうの昔から

めっちゃかっこいい。この感じで学進書こうと思う。

 

 東京は首都だし企業の本社もたくさんある。日本の中心が東京だってことはどうしても認めなければいけないでしょう。だからといって東京に迎合するだけが方法じゃないし地方からすごいものが生まれることがある。それは僕にとってはナンバーガールだったりくるりだったりするんだけど、地方と東京という構造を明確に意識してアルバムにしてるのがこの「STILLING STILL DREAMING」。たぶん何万回と言われてるんだろうけど。

ブルーハーブは軸足を北海道・札幌に置いて活動してるラップグループで、たぶんこんな説明をしなくてもみんな知ってるくらい重要。O.N.Oが作るトラックには緊張感がある。このアルバムでのBossは苛立ちと自信がないまぜになってる。

 一曲目、電車のノイズから札幌に連れて行かれる。Illmaticのはじめみたいな感じ。みんなNas好きやね。

どの曲もすごいかっこいいけど、僕は三曲目「¥」の“生きるか死ぬかで生きそして死ぬよりは 死ぬまでどう生きるか いくつ作り残すか ”ってリリックが好き。