それでも虹は美しい

「理由を知っていても,その美しさは変わらない」

「それでも町は廻っている」ということ。

東京に引っ越すことが決まり、準備に追われていました。向こうの大学に出す書類や賃貸契約の書類を揃えるのに市役所に行く必要があり、高校の 時から10年以上使っているマウンテンバイクで市役所まで向かいました。TSUTAYAが無くなってGEOになったりはしたけどベッドタウンの雰囲気って あまり変わらないです。ぬるい感じ。

 

それでも町は廻っている」は石黒正数のSF(少し不思議のほうのやつ)漫画です。タイトルのとおりに町が舞台になってて商店街とか高校とかが出てきます。主人公は表紙になってる女子高生で主に彼女の日常が描かれます。

キャラクターがいきいき動くのが面白くいんだけど、まず主人公の歩鳥がとにかくいいやつでポンコツだけど周りの人にちょっとした気遣いをしてるのがかわいい。特に歩鳥の一つ上の紺先輩とのからみがすごくいいんですよ。というか不器用で人付き合いが苦手な紺先輩のかわいさを存分に引き出している。他にも小学生の弟とその同級生のませた女の子のからみもかわいいし。

あと話の構成が独特で時系列順に並んでないところもおもしろい。はじめは入学して商店街にあっておばあさんが経営してるメイド喫茶(個々の設定も面白い)で働くところから始まるんだけど いつの間にかバイトはやってないみたいで三年生になってたりとか、髪型が変わってたりとか、関係性がちょっと変わってなんかがあったみたいだとか、時系列順に並んでないことでミステリー的な楽しみを作ってるんですよ。すごい。

で、彼らにとっての変化は宇宙人と遭遇するようなおっきな変化があったり、なんかはっきりとは書かれないけど失恋してる風な描写があったり、いろいろ変わっているはずなんだけど、そのキャラクターの根本の性質は変わらないので変化じゃなくて成長として描いているところがすごく好きなところなんだと思います。

本当の意味での日常系漫画だと思うのでそう言うの好きな人は読んでみたらいいと思う。

 

で、ぼくは東京に行くわけだけど「性質は変わらずに成長していこう」という学部時代の友人の言葉を思い出しているのでした。