それでも虹は美しい

「理由を知っていても,その美しさは変わらない」

『ひきだしにテラリウム』九井諒子

『ひきだしにテラリウム』は九井諒子の短編集商業誌3作目で、主にマトログロッソで連載されていた4ページほどの短編が集められている。星新一っぽいって思うんじゃないかな。

余談だけど、マトログロッソはWeb文芸誌で、面白い文章と漫画が無料で読めるのですごい。現代ばんざい!メレ山メレ子の『ときめき昆虫学』が面白かった。もう連載は終わったみたいだけど。本になったらしい。わーい!

 

 

テラリウムっていうのはガラスなどの透明な容器の中で植物や生き物を育てるものです。なかなか手間がかかるみたいだけど,1つの世界がガラスの中で完成しているのってカッコイイ。

 

この短編集もそれぞれは2ページぐらいのほんとに短い話が集めてあるんだけど,それぞれの話の後ろにある世界が感じられるように話が作られてて面白い。九井諒子は世界の設定を作るのが本当に上手いと思う。すごい。ダンジョン飯も2巻まで読んだけど,どんどん話の奥行きが出てきて面白いし。あと余談ですが,webにあげてた「西には竜がいる」ってファンタジーかつスパイ物のお話も面白かった(タイトル名はうろ覚えです)。ぜひ完結させて欲しいです!

 

この短編集だと「えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編」でトーワ国が出てきて,「作者の中にまだあの世界はあるんだ!!」と思ってすごくテンションが上りました。舞台は現代になってるからweb漫画のトーワ国とは世界観は変わってるけど,特徴とかは残っててあの国が歴史をたどるとこうなってそうって思う。作りこみがすごいぜ!すごいぜ,九井諒子

あと絵柄をたくさん持っててお話ごとに使い分けるのもかっこいい。ホントに絵が上手い人なんだろうなー。

 

漫画好きな人は読んでみてほしいな!

現代は羽海野チカ九井諒子がいるから最高!!生きててよかったね!!